土壌分析

土壌分析は、土壌の物理性・生物性・科学性の中から化学性に的を絞って、作物の品質や収量が上がらないといった原因を突き止めるための1つの手段です。
化学性に的を絞ることで、土壌中に存在する養分、とくにミネラルの過不足を把握することができます。

重量法と体積法、土壌分析にはどちらがいい?

土壌分析・試験器具

土壌分析には「重量法」と「体積法」二つの方法がある

土壌分析法には「重量法」と「体積法」という2つの方法があり、その方法と原理は大きく異なります。

名前のとおり、「重量法」とは、土を乾燥させた乾土100g(重量)に何mgの成分が含まれているのかを計測します。
土の採取方法としては、ある地点での土を採取して土をふるいにかけ、水を飛ばして乾燥させた土100g当たりの肥料成分を測ることになります。

それに対して、「体積法」は、土を乾燥させていな生土100cc(体積)に何mgの成分が含まれているかを計測します。
重量法の場合、採取した土壌の水分を完全に飛ばして乾燥させ、体積を考慮せず量りを用いて分析します。
一方、体積法は土壌を乾燥させずに水分をほ場の状態と同じに保ち、一定の体積が量れる土壌マス(2cc)を用いて分析します。
土の比重は、固相(無機物+有機物)・液相(水)・気相(空気)によって決まります。
そのため、重量法のように土壌を乾燥させた状態で量ると、液相と気相の部分を正確に測定することはできません。

現在、一般的に行われているのは「重量法」ですが、有機栽培の場合は「体積法」でなければ意味がありません。

有機栽培では、BLOF理論に基づいて堆肥や有機質肥料の施用が基本となります。
腐植を増加させ、団粒構造を発達させていくことが重要となります。
そのため、堆肥の投入を継続することにより、土壌中の気相が増加し、土の比重はより軽くなっていきます。
実際の比重で測定するために、体積法で分析することが重要となります。

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