特殊資材

稲わらの腐敗防止に乳酸、酢酸、土をふかふかにする炭酸ガス/「ラブレ菌」がつくる3つの物質がイネの根張りを変える。

ラブレ菌の水田で期待される役割とは(水田の画像)
ラブレ菌の特徴としては、1つめは、漬物由来であり、20℃未満でも、塩気があっても植物を発酵できる強い菌です。
2つめは、ヘテロ発酵する菌であり、ぶどう糖を乳酸だけでなく、酸素を利用して、乳酸と酢酸、炭酸ガスに分解します。
3つめは、写真のような多糖類を作ることができます。

漬物の画像 菌液の白い粒(ラブレ菌+菌体外多糖類)の実験顕微鏡写真
菌液の白い粒(ラブレ菌+菌体外多糖類)の実体顕微鏡写真

水稲栽培における 「ラブレ菌に期待する役割」 としては、
① 土壌中の植物残渣や有機肥料の腐敗防止、イネが吸収しやすいよう発酵分解する
② イネがミネラルを吸収しやすいよう乳酸や酢酸を作る
③ 土壌菌叢を整え、ガス沸きを抑えて、イネの根傷みを防止する
④ 炭酸ガスや多糖類を作ることで、土を細かくしたり、トロミのある部分を作って土壌改良する
ことを期待しています。
水田でラブレ菌が活躍すると、乳酸や酢酸 および 炭酸ガスによって、土の微粒子で水が濁ることがあります。
水田の水が濁ることは、抑草にも繋がります。
ラブレ菌を使用した水田と不使用の水田の比較画像

根張りを変える、良い状態に保つ

ラブレ菌は、圃場に残った有機物の腐敗を防止し、植物が吸収しやすいよう発酵分解していきます。
ラブレ菌は、土壌中の糖類を、乳酸や酢酸、炭酸ガスという植物にとって欠かせないモノに変えることができます。
また、それ自体が作物の養分として吸収され、新しい根や葉をつくる材料になります。
写真は、ラブレ菌を施用しない対照区と試験区より、分けつ数が同じものをサンプリングし、比較した結果です。
ラブレ菌により、根も茎も太く丈夫に育っています。
ラブレ菌試験区と対象区の根張りの画像

不足する分けつ数を増やす

ラブレ菌は、土壌中の糖類を、乳酸や酢酸、炭酸ガスという植物にとって欠かせないモノに変えることができます。
乳酸や酢酸は、有機物を腐敗防止の他、植物の生育に欠かせないミネラルを溶かし吸収しやすい状態にします。
写真は、ラブレ菌を施用しない対照区と試験区より、平均的な株をサンプリングした結果です。
入水時と出穂40日前のラブレ菌散布により、不足する分けつ数が増加しました。
ラブレ菌試験区と対象区の分けつ数の画像
分けつ数増加に伴い、養分の要求量は増えることになります。
例年と同じ施用量で、ラブレ菌を使用して生育がよくなった場合には、生育後半で養分が不足することもあります。生育状況を見ながら、追肥をお願いします。

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