BLOF理論

BLOF(ブロフ)理論とは、3つの分野に分けて考察し、科学的・論理的に営農していく栽培技術です。

施肥量は保肥力(CEC)によって変わる

土壌の保肥力_CEC

施肥量は保肥力(CEC)によって変わる/肥料をやっても上手くいかない理由

正しく施肥を行っても、良い作物が育たないことがあります。
土壌によって、肥料を保持できる力(CEC)が変わってくるためで、作物がよく育つには、肥料養分をたくさん貯蔵しておける力(CEC)を上げる必要があります。

養分を蓄える力

土は、肥料養分を蓄える力を持っています。人が与えた肥料成分は、そのまま植物に取り込まれるわけではなく、土の中で水に溶け出し、徐々に根に供給されて、作物の生育を助けます。
土に蓄えられた養分を、作物は必要な分、根から吸い上げています。

土がこのように「蓄える」力を持っているのは、マイナスの電気を帯びているからで、粘土鉱物と腐植でできた「土壌コロイド」が、その役割を果たしています。
肥料は水に溶けるとプラスイオンとなり、マイナスの「土壌コロイド」に吸着されます。
土壌コロイドに蓄えられた養分は、雨や灌水で簡単に流亡してしまうことはありません。

CEC(陽イオン交換容量)

このとき、土壌の養分を保持する力の目安となるのが「CEC(陽イオン交換容量)」です。
CECの大きい土壌ほど、肥料養分を多く貯めておくことが出来ます。

砂質の土壌、肥料が切れやすい土地はCECが小さく、粘土質の土壌、肥料の持ちが良い土壌は、CECが高いと言えます。
そのため、与える肥料の量を考えるとき、CECは非常に重要な要素です。
CECは土壌分析で調べることが出来、適正値は20〜30と言われます。
15以下のようなら、堆肥、アミノ酸肥料を組み合わせて入れることで、初期の肥効アップとCEC のアップを同時に実現することが出来ます。

土壌コロイド以外のCEC

【土壌コロイド以外のCEC】
有機栽培では、土壌コロイド以外のCEC、「根」と「有機物肥料」のCECについても考える必要があります。
根の表面は、電気的にマイナスに帯電しており、根の表面積が大きいほどCECが高くなります。
また、施用する有機質堆肥、、有機物肥料のCECはかなり大きな値になります。
これらの有機由来のCECも、土壌中の肥料養分を蓄え、作物に利用されています。

有機栽培では保肥力を無理なく高められる

有機栽培では、土壌のCEと施用有機物のCECが加わることで、ミネラルなどの養分の施用量を多くすることが出来るので、吸収量を無理なく高めることが出来ます。
保肥力を高めるには、腐食(土壌の有機物が分解されたあとに残るもの)=堆肥を増やすことが有効です。
ただし、堆肥も肥料分を持っているので、リン酸やカリが過剰にならないように配慮する必要があります。

堆肥を入れる場合は、チッソ(N)が少なく炭素(C)が多い(C/N比の高い)堆肥を与えることが効果的です。

土壌の保肥力_CEC

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。