BLOF生産者紹介

ジャパンバイオファームの有機栽培技術「BLOF理論」は、自然界の法則に従った作物生理の科学的理解と、土壌分析、施肥設計に基づいて、これまでの慣行栽培、有機栽培の常識をはるかに超えた「高品質」・「高収量」・「高栄養」をもたします。
次世代を見据えた科学的根拠に基づく「BLOF理論」によって、安定的に大きな成果を上げ続ける生産者の方たちをご紹介します。

のらくら農場・萩原紀行さん/8割に「無理」と言われた有機農場が20年で20倍に成長

のらくら農場・代表 萩原紀行さん

標高1,000mの高原地帯

春の嵐・夏の温気・秋の優しさ・極寒の銀世界。
長野県、八ヶ岳の北に位置する標高1,000mの高原地帯に、「のらくら農場」はあります。
自然の恩恵と猛威を全身で味わい、変化する様々なことに柔軟に対応し、少しずつ改善し、進化し続ける。
それが「のらくら農場」です。

野菜の卸先は50軒近く。有機栽培による、50〜60種類の多品目を生産し、就農20年で20倍の規模に成長しました。

代表・萩原紀行さん

のらくら農場/代表・萩原紀行さん

のらくら農場/代表・萩原紀行さん

無縁だった「農業」の世界へ

都会の某メーカーで営業職をしていた萩原紀行さんに、転機が訪れたのは26歳の時でした。

無理な生活と食生活の乱れで体調を壊し、このままではいけないと感じていた時に、興味を持ったのが農業でした。
農業とはまったく無縁に育ち、とくに農学部などで勉強をしたこともなかった萩原さんに、「農業をやりたい」と、当時おつきあいしていた女性が言いだしたのがきっかけでした。
やがて新規就農を志し、結婚と同時に長野県八千穂村(現佐久穂町)に移住して1998年に、有機農場をはじめます。
ちなみにご結婚相手は、萩原さんに農業をすすめてくれたその人、大学時代からおつきあいをしていた女性です。

暗闇の中でスイッチを見つける/BLOF理論との出逢い

有機栽培の世界に飛び込んだものの、思うようにいかず、失敗しても成功しても原因がわからない。
3年が過ぎてもなお暗闇の中を模索しつづけていた萩原さんが出会ったのが、ジャパンバイオファーム代表の小祝政明氏でした。

小祝氏が経営する肥料販売会社「ジャパンバイオファーム」を知り、訪れた萩原さんが鶏糞を買おうとすると、渋い顔をされました。
「1反に入れる量は?その根拠はなんですか?」
野菜の症状を話すと、
「それはマグネシウムの欠乏です」

ではそのマグネシウム資材をどのぐらい入れればいいですか?と聞くと、
「それは土壌分析をしてみないとわかりません。土に必要量あれば、入れる必要はありません」
小祝氏はそう答えました。

結局この日、萩原さんは資材を買うことが出来ませんでした。
萩原さんと「BLOF理論」の出会いです。

有機栽培技術BLOF理論・小祝政明

2019年、ニューヨーク国連総会カンファレンスでグランプリに選ばれた小祝氏。「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する」ための目標達成技術として、アフリカ・ザンビアでの取組みが評価された。

その後、萩原さんは小祝氏の勉強会に参加するようになります。
わかってきたのは、BLOF理論とは「○○農法」というものではなく、自然界の基本的な植物生理や土壌の理論だということ。
小祝氏の教え通り土壌分析をやってみると、土のミネラルバランスがガタガタであることがわかります。

8割の人に無理だと言われた有機農業

のらくら農場

萩原さんと奥さん、二人だけで飛び込んだ有機農業の世界。
オーガニックでいろんな作物を栽培したいと言うと、8割の人に無理だと言われたそうです。
「有機は趣味の世界。100%うまくいかない」
「有機なんて絶対に無理。あなたが有機栽培をやりたいと言うなら、私はいっさい協力しない」
多くの人にそう言われました。
それでも、ライバルがいないというのは、ある意味有利だと萩原さんは思いました。

あれから20年以上が経ち、今では年間、50〜60種類の多品目を中量生産しています。
通年一緒に仕事をする仲間は10名に増え、さらに繁忙期には25名ほどになります。

狙って作る/栄養価コンテストでグランプリを受賞

複雑で伝えづらい農作業の手順やコツは、これまでは農家が経験的に培ってきました。
しかし萩原さんは、そういった「暗黙知」を、メンバー全員が理解できる「形式知」に変換し、「集合知」に昇華させることで、のらくら農場をチーム運営しています。

もともと、小祝政明氏の「BLOF理論」との出逢いで、土壌分析や施肥設計という、科学的根拠に基づいた栽培計画を立てられるようになったことがスタートでした。
現在は、チーム内で勉強会を定期的に行い、栽培の計画表、出荷の計画表など、誰が見てもわかる資料をそろえています。

「土壌と栄養価を数値化し、作業(暗黙知)を形式知にし、集合知にする。『今日は野菜の抗酸化力を仕込んだ。ビタミンCを仕込んだ』と思えるようになり、高い栄養価の作物を”狙って作る”ことが出来るようになってきた」
それが本当に面白いと、萩原さんは言います。

栄養価コンテストでは、2019年にレッドケールでグランプリを受賞。
グリーンケールは最優秀賞三連覇。
全て合わせると、最優秀賞6冠取得を果たしました。

のらくら農場_栄養価コンテストグランプリ

仕事がなければ仕事を作る

長野県佐久穂町、その中でも標高1,000メートルの高い場所にある「のらくら農場」では、冬はすべてが凍りつき、露地ではなにも栽培できません。
農業経営において、厳しい冬の期間に雇用を維持するのはとても難しいことなのです。

そこで、冬でも出来る加工品の仕事を作ることにしました。
4種類の漬物の他に、野菜の旨味を活かしたレトルトスープの開発、ニンジンジュースや、バーニャカウダーも販売しています。

のらくら農場の漬物

のらくら農場のニンジンジュース

のらくら農場のスープ

のらくら農場 公式HP

のらくら農場_公式ホームページ

萩原紀行 著/野菜も人も畑で育つ――信州北八ヶ岳・のらくら農場の「共創する」チーム経営

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